Resuscitationに救急現場に遭遇した際の救助行動に関する論文が出ました!
■2019年07月01日
Resuscitationに救急現場に遭遇した際の救助行動に関する論文が出ました!
Resuscitationに救急現場に遭遇した際の救助行動に関する論文が出ました!
Actual resuscitation actions after the training of chest
compression-only CPR and AED use among new university students
Chika Nishiyama, Ryuhei Sato, Masaaki Baba, Hiroshi Kuroki, Takashi
Kawamura, Takeyuki Kiguchi, Daisuke Kobayashi,
Tomonari Shimamoto, Kaoru Koike, Shinsuke Tanaka, Chisako Naito, Taku
Iwami. Resuscitation 2019:141; 63-68.
PMID: 31201883, DOI: 10.1016/j.resuscitation.2019.05.040
【概要】
2015年より京都大学では学部を問わず全ての新入生約3000人に対して、新入生オリエンテーションの際に胸骨圧迫とAEDの使い方を指導する講習会を行っています。そこで今回の研究では、この講習会を受講した学生が、大学入学後に心停止も含め人が倒れているような救急現場にどの程度の頻度で遭遇してるのか、またその際なんらかの救助行動を行っているのかを明らかにすることを目的としました。
2018年4月現在、学部2-4年生を対象に質問紙調査を行い5,549名(73.1%)から回答を得ました。観察期間において、救急現場に遭遇した学生は264名(遭遇頻度2.5/100人年)、そのうち心停止現場に遭遇したものは111名(遭遇頻度1.1/100人年)であることがわかりました。これは、京都大学4年間の学生生活の間に、約25人に1人の京都大学の学生が心停止現場に遭遇するということです。また何らかの救助行動(119番通報、救急隊の誘導、AEDを取ってくる、AEDの使用、胸骨圧迫の実施)を行っていたものは、心停止現場に遭遇では54名(48.6%)、心停止以外の現場では、82名(53.6%)でした。
心停止の発生頻度については多くの研究で明らかになっていますが、救急現場や心停止現場に遭遇する頻度について明らかにしたデータはほとんどありませでした。心肺蘇生教育を学ぶ必要性を伝えたり、受講生に「案外身近なことなのかも」と意識づけしてもらうには有用なデータだと思います。
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