2022年12月6日、第10回大阪蘇生アカデミーが大阪で開催されました。
午前の部では、『院外心停止記録を活用した研究 次の 10 年に向けて』をテーマにそれぞ れの研究課題を担う演者より、『SOS-KANTO2017 study』、『CRITICAL study』、『ハイパ フォーマンス CPR』、『岐阜県の指令員教育』、『SAVE-J II study』『R-CASTOHCA study』 についてご講演いただきました。講演後にはディスカッションの時間を設け、各演者に加え厚 労省、総務省から迎えたコメンテーターを交え、積極的な議論を行いました。議論の中ではレ ジストリの今後の展開や質のデータの重要性、今後の蘇生教育の在り方、介入研究の困難 さなど活発な議論がなされ、院外心停止記録の有効活用に関する知見を共有しました。
午後の部では、特別講演『~大阪蘇生アカデミーのこれまでの歩み~蘇生科学これからの 50 年に向けて』、シンポジウム『これからの蘇生』において大阪、日本、世界で行われて いる取り組みに関して紹介していただきました。シンポジウム第一部では現在シンガポールで 活動している演者を招き、シンガポールの救急医療が、IT の有効活用という点で日本に比 べて大きく進んでいる現状を紹介していただきました。また『にいがた救命サポーター制度』 の取り組みや、大阪大学医学生による蘇生率向上に向けたアイデアや取り組みの紹介もあ り、質疑応答でも多くの質問が寄せられ、関心の高さが伺われました。シンポジウム第二部で は『DX』、『遺伝カウンセリング』、『神経集中治療』に関してそれぞれの分野で先進的な 研究を行っている演者から講演をいただきました。こちらに関しても関心は非常に高く、内容 そのものについてだけでなく日本で実用化する際に乗り越えるべき課題に関しても活発な 議論が行われました。
また、本年度初の試みとして、旭化成ゾールメディカル共催のもとでランチョンセミナ ーを行い、ハイパフォーマンス CPR に関して講演をいただきました。